イワサキ経営グループ(静岡県沼津市)は、グループ法人9社、職員114名の大型会計事務所グループである。同グループは財務・会計だけでなく、相続・事業承継支援、医業経営支援、資産コンサルティングなど、さまざまな角度から中小企業をサポートし、地元静岡の中小企業から絶大な支持を得ている。数年前から独自ブランドのMAS監査サービス「VIPコンサル」の展開に力を入れており、将来的には全社的な取り組みに発展させようとしている。今回の取材では、イワサキ経営グループのMAS監査サービスへの取り組みについて、株式会社イワサキ経営代表取締役社長の吉川正明氏(写真中央)と、監査部2課主任でMAS監査担当の富山友登氏(同左)、そして経営支援課の川下真理氏(同右)に伺った。(写真 市川法子。本稿は株式会社日本BIGネットワークの機関誌「Ja−BIGジャーナル」春号(2022年4月25日発行)に掲載されたものです)

社員、顧客、地域の「三方良し」を目指す

—— 本日は、MAS監査サービスへの取り組みについて、イワサキ経営グループの吉川代表と、MAS監査担当の富山主任、そして経営支援課の川下さんに伺います。はじめに、イワサキ経営グループの沿革についてご紹介ください。

吉川 当事務所は、現会長の岩﨑一雄が昭和48年に、4人でスタートした税理士事務所が母体です。現在は、コンサルティング会社の株式会社イワサキ経営と、税理士法人イワサキ、株式会社財産ネットワークス静岡など、9つの法人でグループを形成しています。私がイワサキ経営に入ったのは、まだ所員数が30人弱だった平成8年です。その頃から事務所は相続分野に力を入れ始め、同時に規模も大きくなっていきました。私は資産税部門で実績を積んでから、財産ネットワークス静岡を立ち上げ、資産税分野をさらに強化、そこからさらに保険部門、マーケティング、証券、不動産など、お客様のニーズに合わせ、業務領域を広げていきました。私自身は平成25年、40歳のときに従業員承継をして、代表に就任させていただきました。現在では、所員数は109人。この4月に5名が新たに加わり、114名になる見通しです(編集部注:取材日は令和4年2月21日)。

—— イワサキ経営グループの経営理念についてお聞かせください。

吉川 社員、お客様、地域という、いわゆる「近江商人の三方良し」の考え方が、当グループの基盤になっています。なかでも一番重視しているのが社員で、社員第一主義は創業当時から一貫して変わりません。なぜ社員が一番大切なのかといいますと、私たちが売っているのは社員が持つ知識、情報、知恵であり、社員そのものが当社の商品だからです。つまり、商品・サービスの質向上イコール社員の向上ですから、社員に磨きをかけなければなりません。そのためには、社員が気持ちよく働ける環境をつくる必要があります。社員が生き生きと気持ちよく働ける環境があれば、社員は自然に自己研鑽を行い、仕事の質も上がっていきます。当グループが理想に掲げるのは、「管理不要の事務所」です。社員が生き生きと働ける会社にしていくことが、お客様の発展につながると考えています。

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