税理士法人古田土会計のエキスパートリーダー森尾勝俊氏(写真)は、2年前から「中小企業の財務チャンネル」をYouTubeで運営し、事務所の顧客拡大に貢献しています。
―― 森尾さんのプロフィールを伺います。
森尾 大学卒業後、3年ほど税理士試験の勉強に専念して、26歳から会計事務所に勤務しています。古田土会計は30歳で入社した2つ目の会計事務所で、勤続16年を迎えました。
―― 古田土会計での活動内容をお聞かせください。
森尾 顧問先の経営支援を行っています。リーマンショックの後、中小企業が苦戦する姿を目の当たりにしてからは、事業再生の勉強にも力を入れており、5年ほど前から、勉強会やセミナーで講演する機会をいただいています。
―― YouTube「中小企業の財務チャンネル」は、登録者数1万人超、再生数3万回超の動画もある人気チャンネルです。開設のきっかけは何でしょうか。
森尾 当社の2020年の経営計画において、われわれの顧客層に向けたYouTubeチャンネルを開設することになりました。そこで動画制作の担当者に立候補し、同年4月から配信を始めました。
―― 平日は毎日更新されているそうですね。動画作りは大変ではないですか。
森尾 動画をあらかじめ撮りためておくことや、動画編集を外注することなどで工夫しています。動画内容は、日々の実務でやっていることですから、ネタに困ることはありません。
―― 配信開始後の反応はいかがでしたか。
森尾 忘れられないのは、開設月の月末の登録者数がたったの12人、再生回数が1日約5回だったことです。動画のテーマは、われわれのターゲットである年商1億円以上の企業に向けて設定しているため、個人事業主や小規模事業者向けの動画よりも伸びにくい面はあるのですが、それにしても、とんでもない分野に足を踏み入れてしまったと思いました。
―― どのようにして登録者数を伸ばしたのでしょうか。
森尾 努力すれば誰かが見てくれると信じて、アナリティクスの結果を参考にしながら更新を続けました。するとYouTubeのアルゴリズムに引っ掛かる動画がたまに出てくるようになりました。そうした動画があると、再生回数や登録者数が普段より増えてくれます。これをひたすら繰り返してきた感じですね。4月末の登録者数は12人でしたが、同年12月には1000人に到達したことも励みになりました。