株式会社スリー・エル(東京都中央区)は、会計事務所と提携して保険の提案、および金融商品のコンサルティング事業を全国展開する創業18年目の企業である。全国50を超える提携会計事務所内に支店を設置し、その顧問先の中小企業を対象に金融コンサルティングを行う。弊誌では過去2回、同社を取材し、独自に開発した保険比較システム「L-navi」と、コロナ禍における提携事務所へのフォロー体制について紹介した。今回は、税制改正とコロナ禍の影響で売上がここ2年間減少傾向にある同社の立て直しに向け、今年の2月に代表取締役社長に就任したばかりの菅原 治氏(写真)にインタビューを行った。菅原氏は十数年間、スリー・エル提携事務所の株式会社アオキマネジメント(福島県郡山市)の経営に携わり、今、ファミリーオフィス機能を備えた会計事務所を目指している。その経験を生かし、スリー・エルの再興を図る。本稿では、同社の新体制と今後のビジョンについて、菅原氏にお話を伺った。(写真撮影 市川法子)

新社長を迎えて新たなスタート

―― 本年2月1日、株式会社アオキマネジメントの菅原 治氏が、株式会社スリー・エルの代表取締役社長に就任されました。そこで本日は、新体制で臨むスリー・エルの金融サポートビジネスについてお話を伺います。
2019年の税制改正と長引くコロナ禍の影響で、保険ビジネスから手を引く会計事務所が相次ぐなか、会計事務所の金融プラットフォーム支援を今後どのように展開していくのか。その経営方針、事業戦略について、菅原新社長にお話を伺います。あらためて、株式会社スリー・エルの沿革からお願いします。

菅原 当社は今年で18期目に入りました。事業目的は、全国の会計事務所の先生方が持つ保険のノウハウを統合し、より収益性の高いビジネスモデルを作り上げていくことです。
そのためには、会計事務所の顧問先企業に対し、一部の金融商品ではなく、あらゆる商品のなかからお客様にとって最も有利な商品をご提案する、いわゆるトータルリスクヘッジが重要だと考えています。

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