株式会社LayerX 代表取締役CEO 福島良典
株式会社LayerX(東京都中央区)は、手入力ゼロの請求書受領ソフト「バクラク請求書」をはじめとする「バクラク」シリーズを主力商品として、コーポレートDXを支援するサービスを展開している。今年から改正電子帳簿保存法が施行され、インボイス制度のスタートが来年に迫っているが、いまだに紙中心のやりとりや、紙と電子が混在するケースは多い。そのようななか、請求書受取業務の生産性を劇的に向上させるツールとして、「バクラク」シリーズは顧問先企業のDXバックオフィスサービスを推進する会計事務所の注目を集めている。本稿では、同社代表取締役CEOの福島良典氏に、「バクラク」シリーズ開発の経緯やサービスの紹介、会計事務所の導入・活用事例などについてお話を伺った。(写真 工藤裕之)
「すべての経済活動をデジタル化する」事業を展開
―― 株式会社LayerXは、「すべての経済活動を、デジタル化する。」というミッションを掲げ、コーポレートDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するSaaS事業などを展開しています。
同社の代表取締役CEOである福島良典氏は、ニュース配信サービス「グノシー」を運営する株式会社Gunosyの創業者でもあります。福島氏は工学系の大学院在学中の2012年にGunosyを起業し、同社は創業から2年余りで東証への上場を果たしています。
本日は福島CEOに、LayerX設立の経緯や事業内容の詳細、今後のプロダクト戦略などについて伺いたいと思います。はじめに、福島CEOがコーポレートDX支援という新たな分野にチャレンジされた経緯からお話しいただけますか。
福島 LayerXの設立は2018年です。今ご紹介いただいたとおり、私にとってGunosyに次ぐ二度目の起業になります。Gunosyで新規事業に携わるなかで、日本の経理業務のデジタル化に課題があるという事実を知ったことがコーポレートDX支援の事業化を考え始めるきっかけとなりました。
そして、「グノシー」を展開していくなかで増えていった新たなソフトウエアをより有効に活用すると同時に、これまでの経験を生かせる事業、しかも社会的インパクトの大きいサービスを提供したいという思いから、LayerXを立ち上げました。