会計業界には、圧倒的な存在感を放つ事務所があります。創意工夫により事業を発展させ、抜きんでた業績を上げているだけでなく、その経営思想は他の会計事務所にも大きな影響を与えています。
本稿では、業務ソフトウエア「会計王シリーズ」で知られるソリマチ株式会社の代表取締役であると同時に、税理士法人ソリマチ会計の代表社員でもある反町秀樹氏が、会計人の視点から、そんな有名事務所の本質に迫ります。
第17回は、香川県高松市の生駒会計グループを取材しました。代表の生駒 学氏(写真)に、事務所経営に対する基本姿勢や組織づくりの詳細について伺いました。
四国地方屈指の会計事務所グループ
反町 本日は、香川県高松市の生駒会計グループを率いる生駒 学先生にお話を伺います。
生駒会計グループは27年前に6坪の事務所とパート1名、顧問先ゼロからスタートし、現在は230坪の敷地に70名近くのスタッフを擁する四国地方屈指の会計事務所グループにまで成長しています。
その成長の軌跡と具体的な取り組みの数々を伺うことで、100年続く会計事務所の土台づくりに役立つキーワードを探り当てたいと思います。
本日はよろしくお願いいたします。
生駒 こちらこそ、よろしくお願いします。
反町 まず、生駒会計グループの概要を教えていただけますか。
生駒 生駒会計グループは、生駒学税理士事務所を中核として、関連会社に株式会社アイ・エス・ケイ、株式会社生駒経営、株式会社生駒相続・事業承継研究所、株式会社生駒事業再生プロジェクト、株式会社生駒保険サービスシステム、株式会社生駒ホールディングス、一般社団法人みんなの家族信託の8組織で構成されます。
平成29年度の全体の売上は、内部売上を除いて4億7600万円で、平成30年度は5億円を見込んでいます。
生駒保険サービスシステムと生駒ホールディングス、みんなの家族信託は昨年の設立で、後者2つは来期から本格的に動きだします。
スタッフは正社員が33名、パートとアシスタントさんが34名で、総勢67名になります。社員は全て関連会社との兼任で、生駒学税理士事務所か生駒経営に所属する形です。
現在の顧問先数は約800社です。