右からマネジメントパートナーズの森 俊彦経営顧問、商工組合中央金庫の萩尾 太常務、マネジメントパートナーズの酒井篤司代表

弊誌は2021年4月号、同9月号の2回にわたり、「三者共通価値の創造」をテーマとしたシリーズ対談で、会計事務所とその顧問先企業、金融機関の連携強化が日本経済の持続的成長を実現する可能性を探ってきた。これまでの議論において、三者の連携を強化するには金融機関と認定支援機関の間の「情報の非対称性」の解消が極めて重要であり、それが金融機関による正確な事業性評価や会計事務所による「真のMAS(経営助言)」にもつながることが示された。今回は、「三者」のひとつである金融機関からゲストを迎え、金融機関と会計事務所の「がっちり連携」による中小企業支援の必要性について、株式会社マネジメントパートナーズ代表取締役の酒井篤司氏、同社の経営顧問で一般社団法人日本金融人材育成協会会長の森 俊彦氏、株式会社商工組合中央金庫常務執行役員の萩尾 太氏に語っていただいた。(写真撮影 澁谷哲之)

変革の時代にこそ重要性を増す「連携」

―― 「地域の中小企業支援に携わる会計事務所と金融機関の連携強化」をテーマとした本シリーズも、最終回となる3回目を迎えました。
第1回(2021年4月号)は「『三者共通価値の創造』の未来」と題し、一般社団法人日本金融人材育成協会の会長で、株式会社マネジメントパートナーズ(以下、MPS)の経営顧問でもある森 俊彦氏に、金融業界からの士業に対する期待や要望を語っていただきました。
第2回(2021年9月号)は「『三者共通価値の創造』に向けた職業会計人の役割」にフォーカスし、引き続き森会長と、増山会計グループの代表で、TKC全国会中小企業支援委員会の委員長を務める増山英和先生、そしてMPS代表取締役の酒井篤司社長のお三方に、「三者共通価値の創造」の意義と必要性、その実現に向けた具体的な取り組みについてお話しいただきました。
シリーズ最終回の本日は、森会長と酒井社長に加え、三者のひとつである金融機関を代表して、株式会社商工組合中央金庫(以下、商工中金)の常務執行役員である萩尾 太氏にご参加いただき、中小企業の経営改善支援に向けた金融機関と会計事務所の連携について伺いたいと思います。
まずは森会長から、今回のテーマについてご説明いただけますか。

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