株式会社日本M&Aセンター 代表取締役会長 分林保弘
株式会社日本M&Aセンター 代表取締役社長 三宅 卓

1991年に創業した株式会社日本M&Aセンター(東京都千代田区)は、2021年に30周年を迎えた。日本のM&A市場を牽引し続けてきた同社の歴史は、常に会計事務所とともにある。深刻化する後継者問題への取り組みは、社会的な意義も大きく、多くの会計事務所も共感してきたであろう。現在、会員として日本M&Aセンターのネットワークに参加する会計事務所は1000を超え、中小企業の事業承継支援のスピードはますます増している。本稿では創業30周年を記念した特別企画として、代表取締役会長の分林保弘氏(写真右)、代表取締役社長の三宅 卓氏(同左)に、日本M&Aセンターの30年の歩みと、将来の展望についてお話を伺った。

50年続く会計事務所との関係

―― 株式会社日本M&Aセンターは、1991年の創業から今年(2021年)で30年を迎えました。この30周年を記念して、同社の代表取締役会長を務める分林保弘氏、代表取締役社長を務める三宅卓氏にお話を伺います。
まずは、創業者である分林会長に会計事務所との出会いを振り返っていただきます。

分林 日本M&Aセンターはおかげさまで30周年を迎えることができましたが、私自身と会計事務所の先生方のお付き合いはそれよりも長く続いています。私は大学を卒業して、1966年に日本オリベッティに入社しました。後に判明したことではありますが、1966年は飯塚 毅先生がTKCグループの母体となる株式会社栃木県計算センターを創業した年でもありました。
その数年後、日本オリベッティは野村計算センター、現在の野村総合研究所と組んで会計事務所に対してコンピュータ会計を進めていく方針を打ち出しました。これが会計事務所の先生方と長年続くことになるお付き合いのきっかけですね。その取り組みがスタートして3年ほど経過した頃、まだ200名くらいの規模だったTKCの飯塚先生にも興味を持っていただけたのです。そして、TKCと日本オリベッティで一緒にコンピュータ会計を普及することになりました。TKCにセンターを設置し、日本オリベッティが営業と端末の提供を行うという流れです。日本オリベッティからは、TKC専任の営業マンが約150名動員されました。結果として、北海道から沖縄まで3年で2000人ほどTKCに入会してもらうことができましたね。
私自身も西日本の責任者を務めています。当時は三宅が新入社員として日本オリベッティに入社した頃でもありました。大阪の現場では、
関 博先生をはじめとする多くの先生方とのご縁をいただき、会計事務所業界と親しくお付き合いするようになっていきました。

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