大学を卒業後一般企業に就職し、結婚を機に退職していったんは家庭に入ったものの、現在は税理士として活動している女性がいる。彼女たちは「ママ税理士」を自称し、過去の自分たちと同じように「税理士を目指すママ」に向けてセミナーやブログ、オフ会などでの情報発信を行っている。多くの会計事務所が人材の獲得に課題を感じている現在、女性人材の獲得を狙ううえで「ママ税理士」のキャリアを知ることは大きな参考になるだろう。もちろん、会計事務所で働く女性職員にとっても、「ママ税理士」の知見が大きな参考になることは間違いない。本稿では、自身で独立開業した脇田弥輝税理士事務所の脇田弥輝氏と、税理士として勤務する税理士法人漆山パートナーズの定岡佳代氏、税理士法人税務会計センターの岡本雅代氏、税理士法人アンサーズ会計事務所の森島奈美氏の計4名に「ママ税理士」としての働き方や今後の活動についてお話を伺った。(写真は右から定岡先生、脇田先生、岡本先生、森島先生。撮影 市川法子)

ママになってから税理士資格を取得

―― 本日は、「ママ税理士」として講演や執筆活動を展開されている、4名の女性税理士にお越しいただきました。
4名の皆様は勤務先が同じであったり、経歴が共通していたりするわけではありません。それではなぜ一緒に活動を展開されているのか、 脇田弥輝先生、定岡佳代先生、岡本雅代先生、森島奈美先生にお話を伺います。まずは皆様の経歴をご紹介ください。

脇田 私は大学を卒業した後、システムエンジニアとして働いていましたが、結婚を機に退職して、しばらくは専業主婦でした。ただ、子供を出産した後に、会計の知識が全くゼロの状態から勉強を始めました。時間はかかりましたが、試験には合格することができました。
そして、まずはパートとして会計事務所で働き始め、その後正社員として約3年半勤務し、ベンチャー企業での勤務を経て、平成28年に自身の会計事務所を開業しました。また、今年の7月には法人も設立しています。

定岡 私も大学を卒業して就職し、結婚を機に一度専業主婦になっています。そして、男の子を2人産んだのですが、子育てをしながら勉強ができると考え、税理士試験への挑戦を始めました。
昨年の秋から現在勤めている税理士法人漆山パートナーズで働き始め、今年の4月に税理士登録をしました。

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