一般社団法人遺品整理士認定協会 理事長 木村榮治
高齢化が加速する日本において、亡くなった遺族が残した品物や家財を整理する遺品整理は、年々ニーズが高まっている、社会的に価値が高い事業である。しかしながら、法外な料金を請求したり、法令に反した活動を行ったりする業者が存在するなど、これまで遺品整理の業界はグレーだと判断されることが少なくなかったのも事実であろう。このような状況を是正することを目的とし、平成23年に設立されたのが一般社団法人遺品整理士認定協会(北海道千歳市)である。同協会は、法令を遵守し、優れた遺品整理を実施できる「遺品整理士」を養成・認定することを掲げている組織で、これまでに3万9000人以上の遺品整理士を輩出している。理事長を務める木村榮治氏によれば、「会計事務所にとって、遺品整理士は親和性の高い資格」といえる。本稿では、同協会の理事長である木村榮治氏に、その活動や会計事務所が遺品整理を学ぶメリットについてお話を伺った。

木村榮治(きむら・えいじ)
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木村榮治(きむら・えいじ)
一般社団法人遺品整理士認定協会理事長。特定非営利活動法人暮らしサポートひだまり協議会理事長。一般社団法人エイトサポート総合研究所理事長。一般社団法人ひきこもり支援相談士認定協議会理事長。北海道出身。北星学園大学社会福祉学部卒。新卒で役所に入り、第3セクターである千歳空港にて約10年勤務。その後、病院・民間企業での勤務を経て、平成13年に株式会社シンクプロジェクトを設立。平成23年、遺品整理士認定協会を設立。著書に「遺品整理士という仕事」(平成27年、平凡社新書)、「プロに学ぶ遺品整理のすべて」(平成27年、WAVE出版)、「遺品整理士が教える『遺す技術』豊かに生きるための〝備えと片づけ″」(平成28年、メイツ出版)がある。

違法な廃棄物処理、現金の着服グレーな業界を是正するために

―― 一般社団法人遺品整理士認定協会は、遺品整理に関係する業界を健全化するために設立された組織です。同協会では顧客が安全に依頼できる遺品整理士を養成・認定していると伺っています。
本日は遺品整理士認定協会の理事長を務める木村榮治氏に、その活動についてお話を伺います。
まずは木村理事長ご自身の経歴を教えてください。

木村 私は北海道小樽市の出身で、大学を卒業した後、役所に入りました。そして、第三セクターである千歳空港に出向し、約10年間勤務しました。
その後、病院などでの勤務を経て、平成13年に起業しました。現在は経営をスタートして21年目になります。

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