Chatwork株式会社(東京都港区)は、クラウド型ビジネスチャットツールの草分け的存在である「Chatwork」の開発運営会社である。「Chatwork」は、会計事務所を含むさまざまな業界のコミュニケーションツールとして活用され、登録ID数は416.7万(2021年3月末日時点)。昨年はテレワーク需要の増加により、売上高や利益も大きく躍進。今年2月に発表された中期経営計画では、中小企業のビジネスの起点となる経営インフラを目指す「ビジネス版スーパーアプリ」構想を掲げ、今後4年間をその実現に向けたシェア拡大のための最重要フェーズと位置付けている。同社の直近の取り組みや会計事務所での活用事例、今後のビジョンについて、代表取締役CEOの山本正喜氏、取締役副社長COOの山口勝幸氏にお話を伺った。

クラウド型ビジネスチャットツールのパイオニア

―― 本日は、Chatwork株式会社の代表取締役CEOの山本正喜氏と、取締役副社長COOの山口勝幸氏にお話を伺います。
弊誌では、これまでに何度か同社を取材しており、前回(2020年3月号)もお二人に、株式の上場による変化や新たなサービスへの取り組みなどについてお聞きしました。
今回の取材では、昨年来のコロナ禍の影響や直近の1年間の取り組み、今年2月に発表された業績や中期経営計画の詳細などについて伺いたいと思います。
まずは山本代表取締役から、貴社のこれまでの歩みをあらためて紹介していただけますか。

山本 当社の前身にあたるEC studioは、平成12年に兄と一緒に大阪で有限会社として創業しました。4年後の平成16年に法人化し、中小企業の成長をITで支援する事業を多角的に展開してきました。
「Chatwork」はもともと、会社の大阪オフィスと東京オフィス間のコミュニケーションを円滑にするためのツールとして開発したものです。当時はビジネス向けのチャットツールが世になく、「それなら自分たちで作ろう」となり、開発をスタートしました。
そうして出来上がったものが社内で好評を博し、社外からも「ぜひ使ってみたい」とのお声を頂くようになったため、事業化して平成23年に「Chatwork」としてリリースしたという経緯になります。
翌年には、経営資源をChatwork事業に集中させるため他の事業を終了または無償譲渡し、社名もChatworkに変更しています。そして今年3月、Chatworkとして新たなスタートを切ってから10周年を迎えました。

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