株式会社TKC(栃木県宇都宮市)は、TKC全国会とともにTKCグループの両輪をなす情報サービス企業である。同社が運用するデータセンターには、1万1000名超の会計人ネットワークから膨大な量のデータが集積される。令和元年12月、第5代社長に就任した飯塚真規氏は、その直後から日本を襲ったコロナ禍で苦境にあえぐ全国の中小企業と、それを支える会計事務所に向けて、正確な情報発信や新たなサービスを迅速に展開。新型コロナ災禍の長期化が予想されるなか、5月からは25万社以上の月次決算データに基づく統計資料の無償提供を開始した。今回の取材では、国難ともいえる現在の状況において、TKCが描く未来の会計事務所像と、今後注力していくサービス、新たな事業戦略について、飯塚氏にお話を伺った。(撮影 市川法子)

就任直後からコロナ禍による難しい局面に

―― 本日は、株式会社TKCの代表取締役社長である飯塚真規氏にお話を伺います。
ご存じのとおり、同社はTKC全国会とともにTKCグループの中核として、会計事務所と地方公共団体に特化した情報サービスを全国展開しています。会員数が1万人を超える、日本最大級の税理士ネットワークであるTKC全国会と密接に連携しながら、税理士・公認会計士、地方公務員の職務遂行を先進のテクノロジーでサポートしています。
飯塚社長は令和元年12月に、同社の第5代社長に就任されました。
その直後から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界規模での感染拡大が始まりました。令和2年から今年前半にかけては、まさにコロナ禍への対応に明け暮れた1年半といえるでしょう。
そこで今回の取材では、新型コロナウイルス感染拡大以降の、TKCグループのさまざまな取り組みについてお聞きしたいと思います。
まず、グループの近年の業況はいかがですか。

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