ビオセラクリニック(東京女子医科大学病院関連施設)院長 医師・医学博士 谷川啓司
経営者はさまざまな経営リスクを抱えている。なかでも、高齢化が進む中小企業の経営者の間で注目されているのが、国民の2人に1人はなるといわれている国民病・がんだ。今年の2月に開催した実務経営研究会主催セミナー「免疫療法の名医が語る新型コロナウイルスと、がんの正しい知識と対策」は、大きな反響を呼んだ。そこで、改めて同セミナーの講師を務めたビオセラクリニック院長の谷川啓司氏にインタビューを行った。がんには今、どのような治療方法があるのか。ビオセラクリニックが専門に扱っている先進医療・免疫細胞療法を含め、「経営者としてとるべきがん対策」について、『がんを告知されたら読む本─専門医が、がん患者にこれだけは言っておきたい“がん”の話』の著者でもある
谷川氏にお話を伺った。

免疫療法草創期にがん免疫細胞療法専門のクリニックを設立

―― 弊社が谷川先生を講師にお招きし、2月に行った「免疫療法の名医が語る新型コロナウイルスと、がんの正しい知識と対策」セミナーは、大変なご好評を頂きました。そこで、弊誌読者にもその内容を紹介するため、今回のインタビューを企画させていただきました。
 本日は、「免疫細胞療法とは何か」について、谷川先生に伺いたいと思います。まずはそのご経歴から簡単にご紹介ください。

谷川 私は今年で57歳になりました。東京女子医大の消化器外科出身ですが、その前に防衛医大を卒業しています。本来なら自衛隊医官になるべきところですが、在学中に父親を肝臓がんで亡くしたことがきっかけで、肝臓移植に携わりたいと強く思い、卒業後、当時肝臓移植に取り組もうとしていた東京女子医大に入りました。

―― 最初は、東京女子医大で肝臓移植を学ぼうと思われていたのですね。

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