さきがけ税理士法人(本店:東京都多摩市)は、開業から12年で100人規模にまで成長した、東京都多摩地域でナンバーワンの会計事務所である。社内の銀行OBや国税OBスタッフ、グループ内の社会保険労務士法人と保険代理店に加え、弁護士や司法書士などとの士業ネットワークも活用して、関与先のあらゆる相談に対応している。特に、資金繰り支援や税務調査に強みを持つ同社は、昨春の緊急事態宣言発出後ただちにテレワーク体制に移行し、出社率を約2割に抑えながら売上を伸ばし、スタッフ数も増加している。にもかかわらず、昨年末にはオフィススペースを3分の1に縮小し、さらなるコスト削減と業務効率化への取り組みを進めている。創業者で代表の黒川 明氏に、同社の新型コロナウイルス対策とテレワーク移行の実際、そのメリットや課題などについて伺った。(撮影 市川法子)
開業12年でゼロから100名規模に拡大
―― 本日は、さきがけ税理士法人の代表である黒川 明先生にお話を伺います。
弊誌による同社の取材は、その前身である黒川税理士事務所の時代から数えると4度目になります。前回(平成27年9月号)の取材は、新オフィスへの移転直後のタイミングでした。本日も、本格的なテレワーク体制への移行に伴い、同じビル内で引っ越しをされた新しいオフィスにお邪魔しています。
今回の取材では、貴社の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策を中心に、テレワーク体制下での事務所運営の在り方や課題についてお聞きしたいと思います。
初めに、さきがけ税理士法人の沿革について、あらためて紹介していただけますか。
黒川 さきがけ税理士法人の前身は、私が平成20年に自宅のある多摩市で立ち上げた個人事務所、黒川税理士事務所です。
顧問先ゼロからのスタートでしたが、開業3年で100件、4年で200件と順調に数を増やし、それに伴い事務所の規模も拡大していきました。現在の顧問先数は約1400件、所員数は94名です。
3年前の税理士法人化にあわせて、名称を黒川税理士事務所からさきがけ税理士法人に変更しました。同時期に、新宿支店も開設しています。グループ企業としては、さきがけ社会保険労務士法人と保険代理店があります。