金森民事信託法律事務所所長の金森健一弁護士

顧問先に提供する付加価値サービスとして、民事信託・家族信託の活用支援に取り組む会計事務所が増えている。経営者の高齢化が進むなか、相続・事業承継対策や、認知症による経営権問題など、中小企業の抱える問題がより複雑化していることがその背景にある。生前贈与、生前売買、資産の組み換え、法人化、生命保険の活用といった施策において、民事信託・家族信託をクライアントへの提案に適切に織り交ぜるわけだが、そこには税務だけではなく、法務の見地からのアプローチも必要となる。そこで、信託・民事信託を専門に扱う金森民事信託法律事務所所長の金森健一氏を取材した。金森氏は、管理型信託会社の設立に参加して以来、その信託会社の法務・コンプライアンス部門長として、商事信託組成業務や、民事信託のコンサルティングに携わってきた経歴を持つ、まさに信託のプロフェッショナルである。会計事務所とのアライアンスによって「家族を幸せにする信託」の普及を目指す金森氏に、その取り組みについてお話を伺った。(撮影 市川法子)

「家族に合った信託を提供したい」との思いで独立を決意

―― 今年の4月に開業した金森民事信託法律事務所は、信託に関する案件を専門に扱う、会計事務所業務との親和性も高い法律事務所です。金森先生ご自身も信託会社の開業にも携わるなど、信託関係に強みをお持ちだと伺っています。本日は信託、特に民事信託案件における会計事務所とのコラボレーションなどについてお話を伺いたいと思います。まずは金森先生のご経歴と、開業に至るまでの経緯をお聞かせください。

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