アンドビズ株式会社 代表取締役社長 M&Aコンサルタント 大山敬義 氏
アンドビズ株式会社(東京都千代田区)は、株式会社日本M&Aセンター(東京都千代田区)の子会社であり、小規模企業のためのM&A支援サービス「&Biz」を提供している。M&Aは後継者不在の会社の事業を存続させる手段として注目されているが、従来は比較的規模の大きな会社でなければ行えないとみられていた。「&Biz」はM&Aの担い手を全国に増やす教育活動とITを組み合わせることで、低コストでありながら専門家のサポートを受けられるM&A支援サービスを実現している。本日の取材では、アンドビズ代表取締役社長の大山敬義氏(写真)に、「&Biz」の概要について伺った。
存続の危機に瀕する日本の小規模企業
―― 本日は、アンドビズ株式会社の大山社長に、小規模企業のM&Aについて詳しく伺います。どうぞよろしくお願いいたします。
大山 よろしくお願いします。
―― アンドビズは、株式会社日本M&Aセンターの子会社として今年4月に設立された会社で、大山社長は親会社の役員も務めておられます。
親会社である日本M&Aセンターは、おもに中堅企業のM&Aを扱っています。この分野のM&Aの状況はいかがですか。
大山 日本M&Aセンターの平成30年3月期の成約数は、過去最多の649件です。昨年度比123・9%の伸びとなりました。
会計事務所の先生方のネットワークである日本M&A協会の理事会員も増加しており、現在では全国732以上の事務所の先生方にご参加いただいています。
―― それだけM&Aの需要が伸びているということですね。
大山 そうですね。ただ、今後10年のうちに、127万社の中小企業が後継者不在で消滅の危機に瀕することを考えますと、もっと活動の輪を広げなければならないという危機感があります。
実際のところ、事業承継問題が今ほどクローズアップされていなかった10年前と比べても、成約数が2倍になったにすぎません。
事業承継問題の第一人者である税理士の先生方の数は約7・7万人ですから、それと比べても649件は少な過ぎます。