件数は過去13年間で4番目、一方取引金額は11番目と低調—ストライク調べ

 2020年1〜3月のM&Aの発表件数は9件で、1〜3月としては2008年以降の13年間で2008年(12件)、2009年(11件)、2010年(同)に次ぐ4番目の水準だった。
 一方、取引金額は約8億円で、同じく2015年(約1000万円)、2011年(約4億円)に次ぐ下から3番目(上から11番目)の低水準だった。金額が未確定または公表しなかった案件が7件、無償譲渡が1件と大半を占めたため、金額が膨らまなかった。今後は新型コロナウイルス感染症の問題がM&A市場に影響する可能性もある。
 全上場企業に義務づけられた東証適時開示情報のうち、経営権の移転を伴うM&A(グループ内再編は除く)について、M&A仲介の株式会社ストライク(M&A Online)が集計した。
 2020年1〜3月のM&Aで取引金額が最も大きかったのは、1月7日に発表したマッチングサイト運営のシェアリングテクノロジーが、不動産売買・仲介子会社の名泗コンサルタント(三重県四日市市)を8億円(シェアリングテクノロジーへの特別配当を含む)で同社社長の牧野昌良氏に譲渡したMBO(経営陣買収)案件。シェアリングテクノロジーは2018年に名泗コンサルタントを子会社化していた。
 このほか2月25日に発表した三菱地所が昭和40年代に開発・分譲した伊豆熱川地域での別荘地事業をリゾート不動産業のひまわり(新潟県湯沢町)へ8月1日に無償譲渡する案件や、3月24日に発表したヤマダ電機が、レンタル事業を中心に宅配水、住宅、建築コンサルティング、美容・健康事業などを手がけるナックから注文住宅建築のレオハウス(東京都新宿区)の全株式を5月中旬に取得して完全子会社化する金額未確定の案件などがあった。
 その他6件の案件は、いずれも金額を公表していない。

件数の推移

取引金額の推移(単位:億円)

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