TKC全国会

11月15~16日にANAクラウンプラザホテル広島(広島市中区)で、ニューメンバーズ(TKC全国会入会3年未満)会員と未入会税理士・公認会計士を対象として開催され、約1000名が参加した。
 これは、TKC全国会の事業目的である租税正義の実現、税理士業務の完璧な履行、事務所の経営基盤の強化、およびその基礎となる職業会計人としての心構えや行動指針などを学び、かつ参加者の相互啓発や親睦を図るために、毎年開催されているもの。23回目を迎える今回のテーマは「夢・決断・挑戦! つかみとれ未来を! 関与先拡大と事務所管理体制構築」。

書面添付の取り組みを全力で

 1日目は、甲賀伸彦TKC全国会ニューメンバーズ・サービス委員長の開会宣言に続き、坂本孝司TKC全国会会長による「会計で会社を強くする」の講演で幕を開けた。坂本会長は、「職業会計人が勝ち残る3つの条件」に「組織化」「社会の納得」「現代の業務への適応・新しい業務の開始」を挙げ、職業会計人の社会的な役割である「税務・会計・保証・経営助言」の意義を説明。特に、金融機関が融資判断に書面添付を重視する姿勢を強めていることについて、「中小企業を支援し、日本全国を元気付けていくためにも、書面添付へ全力で取り組もう」と呼び掛けた。
 続いて、六つの会場に分かれて、以下のテーマで分科会を開催。
 [第1分科会]ゼロからの関与先拡大 ―私はこうして関与先拡大を成功させました―
 [第2分科会]はじめてのスタッフ採用と所内管理 ―税理士から経営者へ。組織化への第一歩―
 [第3分科会]所内体制の構築と情報管理について 伸びている事務所の内部体制 ―スタッフが生き生き働ける事務所づくり―
 [第4分科会]記帳代行事務所から自計化事務所への転換 ―お客さまへの提案から軌道に乗せるまで―
 [第5分科会]金融機関から頼りにされる事務所づくり ―書面添付とTKCモニタリング情報サービスの有効活用―
 [第6分科会]AIに負けない経営助言業務 ―事業承継税制、早期経営改善計画策定支援への取り組み―
 各会場では、若手税理士による熱のこもった講演やパネルディスカッション、参加者によるグループディスカッションが行われ、白熱した議論によりテーマの深掘りが行われた。

会計事務所経営が成功するためには

 2日目の基調講演は、角一幸株式会社TKC社長が「TKCの経営戦略」を講演。AI時代に求められる税理士像や社会からの期待に応えるためのTKCの支援体制、特例事業承継税制や改正消費税へのTKCシステムの対応などを情報提供した。
 最後のパネルディスカッションは、コーディネーターの小嶋公志税理士とパネリストの3名の税理士が登壇し、関与先拡大、自計化・システム移行、職員採用の取り組みや事務所経営での失敗談等を紹介。関与先拡大では、「都心での開業だったため、当初多くの人と会い、名刺交換時に自分の強みを一言で表し、強い印象を残すことを心掛けた」(村田顕吉朗税理士)、「事務所を承継したため、士業連携による紹介獲得や得意業種に特化した所内体制の整備を行った」(清水博文税理士)、「地縁がなかったため、金融機関へ飛び込み訪問し、徐々に関係を強化するうちに関与先の紹介を獲得した」(市来道啓税理士)などの事例が披露された。
 TKC全国会と(株)TKCでは、今後もニューメンバーズ会員のフォローに注力していくとしている。

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