経営者は会社を残したい、でも奥様は迷惑――。M&A仲介サービス大手の株式会社ストライク(東京都千代田区)が、会社経営者とその配偶者に、「残したい資産」「残してもらいたくない資産」を聞いたところ、こんなミスマッチが浮き彫りになった。団塊の世代の大量退職などで企業の後継者不在が深刻となるなか、事業をどう次代に引き継いでいくかについて、家族同士の意思疎通が重要な課題となりそうだ。
ストライクが今年1月10~11日にインターネットを通じて経営者に実施した調査によると、「自分が亡くなった時に残したい資産」との質問(複数回答)で「経営する会社(会社の株式)」と答えた人は約40%にのぼった。
これは「現金・預金」(68%)、「居住用不動産(42%)」に次いで上位3番目。「不動産(賃貸用・投資用)」「保険金」「美術品」などを大きく引き離している。苦労して会社を育て上げた経営者は、親族に事業を引き継ぎたいとの気持ちが強いようだ。
一方の配偶者はどうか。ストライクが昨年8月に経営者の配偶者に対して実施した調査によると、「ご主人が亡くなる際に残されて困るものは」との質問に対して、「経営する会社(会社の株式)」と答えた人は38%にのぼり、最多。事業を家族に残したい経営者にとっては残念な結果となった。
配偶者が「残してほしいもの」で最も多かったのは「現金・預金」で、全体の89%にのぼった。「保険金」「居住用不動産」「国債などの有価証券」が続き、「経営する会社(会社の株式)」と答えた人は15%にとどまった。
こちらは
実務経営研究会会員
用記事です
すべての記事が読める「実務経営研究会会員(有料)」へご登録いただくと続きをご覧いただけます。