2018年のM&A(合併・買収)市場でとりわけ目立った業界の一つが「調剤薬局・ドラッグストア」だった。2018年の同業界のM&A件数は2017年より4件増えて15件となり、直近の5年間では最高件数を記録した。
この勢いは2019年になっても衰えを見せず、1月、2月の2カ月間に6件のM&Aが実現した。このままの勢いが続けば2019年は年間30件を上回る可能性も出てきた。過去10年間で最高件数だったのは2009年の22件であり、このまま推移すれば10年ぶりの記録更新もありそうだ。
ソフィアHDの動きが突出
M&A仲介のストライクが適時開示情報をもとにまとめたM&Aデータベース(https://maonline.jp/pro/database)で検索した結果、調剤薬局・ドラッグストア分野でM&Aが活発化している姿が浮き彫りになった。
2018年のM&A15件の内訳を見ると、9件はソフィアホールディングスが手がけた案件で、残りはメディカルシステムネットワーク、ウエルシアホールディングス、ココカラファイン、ロングライフメディカル、アインホールディングス、ツルハホールディングスが1社ずつ実施した。
2019年の6件はソフィアホールディングスが3件、ココカラファイン、アインホールディングス、ツルハホールディングスが1社ずつで、2018年からソフィアホールディングスの突出した動きが目立つ。
ソフィアホールディングスはインターネット関連事業を主力としているものの、経営の軸足を健康医療事業に移しつつあり、2019年に実施した3件のM&Aについては、発表資料すべてに「引き続きM&A等により、調剤薬局事業の拡大を図ってまいります」と記し、M&Aに積極的な姿勢を示した。
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