株式会社日本BIGネットワーク
株式会社日本BIGネットワーク(東京都千代田区、以下「Ja-BIG」)は、7月19日と20日に、TKPガーデンシティPREMIUM名古屋新幹線口(名古屋市中村区)で、第29回夏の定例会を開催した。
Ja-BIGの定例会は、会員事務所のMAS監査担当者が、未来会計業務のスキルを向上させるための場として定期的に開催されている。今回は37名が参加し、2日間にわたって行われた。
定例会を主催する日本BIGネットワークの小久保 忍社長は、初日の冒頭に登壇し、参加者に向けて開講挨拶を行った。小久保氏はそのなかで、Ja-BIGが会員事務所の支援もあり、今期で11期目を迎えられたことに感謝の意を述べた。そして昨年は、創業時の3つの柱である「会計事務所の未来会計事業化支援」「Ja-BIG自体が会員事務所と一緒にMAS監査に取り組んで磨きをかける」「会計事務所と専門家ネットワークのマッチング支援」を目標に掲げ、会員事務所の支援に注力したことを報告した。また、昨年に「定例会活性化委員会」を立ち上げ、準備を重ねてきた結果、今回の夏の定例会ではパネルディスカッションや事例発表など、2日間にわたる充実した内容にすることができた。こうした取り組みが、参加事務所のMAS監査事業化を加速させ、顧客開拓につながることを願っていると述べた。続いて、中小企業のMAS監査において突出した実績を持つJa-BIGの本山隆行副社長が中心となり、MAS監査の実践的ノウハウが身に付く「実践塾」を企画しているという報告があった。定例会はMAS監査担当者が主役のコミュニティであり、自己研鑽を積み上げるプラットフォームなので、これを大いに利用し、腕を磨いてほしいと語った。
そして小久保社長の開会宣言により、2日間の定例会が始まった。
1日目
小久保社長の開講挨拶のあと、所長によるパネルディスカッションが開催された。パネリストは中部会を代表し、MMPCコンサルティンググループ理事長の松井孝知氏、ブルーウイング税理士法人代表税理士の曽我達郎氏、北斗中央税理士法人代表税理士・公認会計士の長谷川英輝氏。コーディネーターは小久保氏が務めた。次に、所長によるパネルディスカッションの内容を受けて、実務者によるパネルディスカッションが開催された。パネリストは、MMPCコンサルティンググループ販売企画課長・未来会計コンサルタントの和仁陽平氏、ブルーウイング税理士法人経営支援部の大西 徹氏、北斗中央税理士法人MAS監査担当の柴垣千智氏。これらのパネルディスカッションでは、中部地方におけるMAS監査の実績や展開、各事務所の活動状況などが発表された。
続いて質疑応答とグループディスカッションが行われ、参加者からはMAS担当者ならではの踏み込んだ問題が多数投げかけられた。そして、登壇者と参加者が積極的に情報を交換し、予定時間を大幅に超えて続けられた。参加者がMAS監査の腕を磨くために本気で定例会に臨んでいることを実感する光景だった。
その後は懇親会が催され、登壇者や参加者が活発に意見交換や情報交換を行い、前向きで晴れやかな気持ちで2日目を迎えられるような盛大な形で1日目が終了した。
2日目
税理士法人合同経営会計事務所の未来会計・MAS監査担当の前田大輝氏と、株式会社IGブレーン取締役副社長の寺下祐介氏が事例発表を行った。
前田氏は、合同経営会計事務所からIG会計グループへ1年間出向し、同社でMAS監査のノウハウを学んだ。戻ってからは学んだことを忠実に実践し、合同経営会計事務所のMAS監査事業の体制を確立させることに成功した。このような前田氏の取り組みは、参加者の注目を集めた。
寺下氏は、同社のMAS監査事業を展開するための指針として、「業務」を中心に「営業」「教育・成長」を考えること、そして顧問先に満足してもらうためには「考え方・スキル」の向上が必須であると述べた。業務フローに沿った学びを重視し、考え方・スキルを武器に営業を行っているという。
寺下氏は多種多様な業種を担当し、月額5万円から50万円の顧客を抱え、顧問報酬が年額約3500万円に達している事実に参加者の注目が集まった。
寺下氏は、現状分析の事例、計画作成の事例、MAS契約前のスポット業務の事例を紹介し、業務の一連の流れを詳しく解説した。
寺下氏のスキームは、毎月5件ほどのMAS監査を担当できる担当者であれば、2000万円超のプレーヤーになることも可能だという。会員事務所にこのノウハウを共有するための新講座を企画しているという報告があり、それを聞いた参加者の期待が高まるのが感じられた。
その後、午前に70分、午後に60分、しっかり時間をかけて、参加者による自己MAS監査が行われた。この2日間の総括のほか、各参加者のMAS監査業務の状況(計画・目標、実績の振り返り)について、グループ討議が1時間行われ、2日間にわたる定例会は盛況のうちに終了した。