株式会社ミロク情報サービス

11月22日に新宿センタービル(東京都新宿区)にある株式会社ミロク情報サービスのオフィスで、報道関係者を対象としたセミナー「インボイス実施、デジタルインボイスを導入した後の日本の消費税の将来像 ︱国際税務の専門家が各国の状況から日本の消費税の将来を独自に解説」が開催された。主催は、ミロク情報サービス、MJS税経システム研究所。

このセミナーは、ミロク情報サービスの社会貢献活動の一環。税務の専門家を講師に招き、報道関係者に対して、税務に関する専門的な情報を無償で提供している。

今回の講師は、MJS税経システム研究所の客員研究員であり、青山学院大学大学院の特任教授で税理士の望月文夫氏。望月氏は国際税務の専門家であり、国税庁調査課海外調査係調査官、同国際業務課国際業務第一係長、東京国税局調査第一部国際情報課国際税務専門官、同国際調査課国際税務専門官などを歴任している。

望月氏は国際税務の専門家として、海外の動向も取り上げながら、インボイス制度とデジタルインボイス導入後の日本の消費税について解説した。おもな内容は、インボイス制度の概要、デジタルインボイスの概要と諸外国における導入状況、デジタルインボイスと電帳法との関係、デジタルインボイスの先にあるすべての商取引のデジタル化、日本の消費税の将来像。

望月氏は、インボイス制度には廃止論もあるが、諸外国では当然のように導入されている制度であることを指摘した。それらの国ではデジタルインボイスを活用して生産性の向上を実現しているので、廃止論は国際的視点からは意味がないと述べた。

国税庁やデジタル庁、経済産業省などの行政機関は、デジタルインボイスの普及の先に、受発注から請求、決済まですべての商取引のデジタル化を実現してほしいと考えている(究極の姿は、日本全体がトヨタのカンバン方式のような無駄のない体制になること)。

商取引のデジタル化が中小企業まで広まれば日本復活のきっかけになるかもしれない。ただし、日本の生産性の低さには文化的側面(封建的な組織運営、忖度(そんたく)を重んじる風潮、自主性を認めない社会性など)が多分に影響しているので、デジタル化=生産性向上という図式にはならない可能性もあると指摘した。

また、日本人は諸外国と比較しても消費税に特別な拒否感を持っている傾向があるが、諸外国も導入している制度であり、感情的にならずに冷静な議論を行って適切な制度構築をすべきだと述べた。

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