株式会社日本M&Aセンター

3月21日にオーストラリアのシドニーで、日本M&A協会の会員が参加する国際会議が開催された。主催は株式会社日本M&Aセンター。
日本M&A協会の国際会議は、1994年の第1回会議以来、20年以上にわたり毎年開催されていたが、コロナ禍のため一時中断されていた。今回は3年ぶりの開催となり、日本M&A協会に入会している全国178の会計事務所が参加した。
シドニー国際会議は、日本M&A協会理事長の岩永經世氏による開会の挨拶で幕を開けた。その後、日本M&Aセンター代表取締役社長の
三宅 卓氏が、「日本M&Aセンターのこれから」というテーマで講演し、同社やM&Aの未来について熱く語った。
続いて、コンサルタント戦略営業部部長の上夷聡史氏が、「会計事務所業界の未来︱︱理事会員ネットワークのこれから」について語った。上夷氏は、かつては顧問会計事務所がM&Aの相談先1位だったが、現在では金融機関や専門仲介会社が台頭し、会計事務所が優位ではなくなっている状況を説明。その一方で、日本M&Aセンターの紹介ルート別M&A成約率は会計事務所が51%(全体45%)と高いことに触れ、「会計事務所と日本M&Aセンターが手を組んで行うM&Aこそが最高のM&Aである」と強調した。
次に、JETRO SYDNEY事務所長の高原正樹氏と、大和証券キャピタル・マーケッツオーストラリアリミテッド代表取締役社長の半田 晋氏が、「オーストラリア概況と日系企業の進出動向 豪州について」と題して講演し、参加者にオーストラリア経済に関する貴重な情報を提供した。
昼食を挟んで、元国税庁長官で一般社団法人日本損害保険協会副会長の星野次彦氏が「税制調査会による税制の決定方法」について講演した。
続いて、税理士法人KMCパートナーズ代表社員の木村智行氏と、コンサルタント戦略営業部の天野真之介氏が、「2022年度の輝く事務所~優秀事務所のM&Aの取り組み~」と題して発表し、1年間で7件受託し、3件成約するという卓越した成果の背景にある取り組みを紹介した。
次に「会計事務所のM&Aについて」というテーマでパネルディスカッションが開催された。参加者は、税理士法人あさひ会計代表社員会長の柴田健一氏、かがやきグループ代表の稲垣 靖氏、税理士法人おかやま創研代表社員の村上喜郎氏、税理士法人杉井総合会計社員税理士の
杉井秀伍氏、コンサルタント戦略営業部部長の齋藤秀一氏。登壇した事務所代表の4氏は、いずれも自社のさらなる成長のために実際にM&Aで事務所を譲り受けている。交渉の過程で競合した場合に、相手に選ばれるための工夫、M&Aのスキーム、顧問先の反応などを語り合った。
その後参加者は、「会計事務所の成長戦略」をテーマに、25チームが5ブロックに分かれてワークショップを行った。進行役はコンサルタント戦略営業部の永井功太郎氏。各ブロックのファシリテーターは、平岡正壮氏、天野真之介氏、髙橋拓也氏、右田貴彦氏、船蔵竜平氏が務めた。
最後に取締役会長の分林保弘氏による総括が行われ、会議のハイライトや学びを振り返った。
会議終了後にはホテルに移動して懇親会が開催され、参加者たちは情報交換や交流を深めた。
今回の国際会議は、会計事務所がM&Aに取り組む意義や、未来について考える1日となった。また、優れた取り組みをしている全国の会計人が一堂に会し、経験や知識を共有したことで、会計事務所の成長戦略を考える貴重な機会ともなった。

こちらは 実務経営研究会会員 用記事です
すべての記事が読める「実務経営研究会会員(有料)」へご登録いただくと続きをご覧いただけます。