TKC全国会
1月21日にオンラインとリアル〔会場:グランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)〕のハイブリッド形式で、TKC全国会(事務局:東京都新宿区)が「令和4年政策発表会」を開催した。参加者は404名、うちオンライン聴講者は180名。
TKC全国会の新たな運動方針を発表
オープニング・ビデオ上映のあと、TKC全国会会長の坂本孝司氏が、「未来に挑戦するTKC会計人︱職業会計人の独立性」と題して基調講演を行った。
坂本氏は講演のなかで、TKC全国会の新しい「運動方針」(活動期間は令和4年1月から令和6年12月末までの3カ年)を発表した。
新しい運動方針のテーマは、「未来に挑戦するTKC会計人︱巡回監査を断行し、企業の黒字決算と適正申告を支援しよう!」。具体的には、①「TKC方式の自計化」の推進、②「TKC方式の書面添付」の推進、③「巡回監査」と「経営助言」の推進、の3つに取り組んでいく。
坂本氏は新しい運動方針の背景にある考え方について、おもに学術的観点から解説を行った。
税理士の4大業務の同時提供が優良企業を増やす
坂本氏が冒頭で強調したのが、税理士の独立性を守ることの大切さである。税理士が「独立した公正な立場」(税理士法第1章第1条)を有する理由について、米国公認会計士の置かれた状況も交えて詳しく解説した。そして、現状に甘んじることなく、今まで以上に「独立した公正な立場」を確保・維持していく必要があることを指摘した。
続いて、税理士の使命について考察が行われた。日本は確定決算主義を採用しているため、税務と会計の親和性が高い。そのため、独立性・公正性を堅持した租税正義の守護者たる税理士が、租税法律主義を貫徹し、租税法を守り切って適正納税を支援すれば、その基になった決算書と税務関係書類の信頼性が高まる仕組みとなっている。世界に誇るべき優れた仕組みだが、それを支えている税理士の役割が、社会一般に十分認知されていないという課題がある。
こうした状況の打開につながるのが、「税理士の4大業務」((1)税務、(2)会計、(3)保証、(4)経営助言)により、一社でも多くの「優良企業」を増やしていくことである。
現状では⑴税務(法人税申告)の提供が中心となっており、特に⑶保証(書面添付)や⑷経営助言(継続MAS)が手薄となっている(そのぶん伸び代が大きい)ので、4大業務を同時提供できるように注力する必要がある。
そして4大業務の同時提供につながるのが、冒頭に挙げた①〜③の新たな運動方針である。