M&A(合併・買収)仲介を手掛けるストライクが7月に実施した経営者アンケートによると、新型コロナウイルスの感染拡大が「M&A市場にプラスの影響を及ぼしている」と回答した中小企業経営者の比率が全体の18・8%となり、前回調査(3月、6・6%)から急上昇していることが明らかになった。コロナ禍を受けて、企業の事業売却や「選択と集中」が進み、M&Aを活用する企業が増えていることを示しているとみられる。
調査はストライクが7月2~5日に実施し、324件の回答を得た。回答した経営者の業種は、卸売・小売業、建設業、製造業、情報通信業、不動産業、サービス業などが多い。
アンケート(複数回答)によると、M&Aの買い手は36%(前回は17%)、売り手は28%(前回は8%)が「コロナ禍はM&Aにプラスの影響を及ぼしている」と回答した。
一方で、事業承継を検討している経営者が「コロナ禍がM&Aにプラスの影響を及ぼしている」と答えた比率は8%にとどまった。ただ、前回調査の3%からは大きく上昇している。
コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)導入など、企業は資本効率の改善を迫られている。こうしたなかでコロナ・ショックが発生し、不採算の事業を売却する動きが強まっている。
ストライクの集計では、20年の上場企業による子会社・事業の売却は前年比35%増の285件と、この10年で最多。M&A件数のうち33%を占め、比率は過去10年で最高となった。特に昨年9月ごろからは、コロナ禍での業績悪化に伴う事業売却が目立ってきている。こうしたことが、「コロナ禍がM&Aをむしろ後押ししている」との見方につながっている可能性がある。
一方で、コロナ禍が「M&A市場にマイナスの影響を及ぼしている」と回答した経営者も32%にのぼった。前回調査では33%で、コロナ禍で悪影響があるとみる経営者も根強いといえる。
今秋は自民党総裁選など政治日程が山積みとなっているが、コロナ禍や政治が企業動向に及ぼす影響にも引き続き注目が集まりそうだ。

ストライク、11月に中国地方に進出 ~福岡、名古屋オフィスも2倍超に拡張

M&A(合併・買収)仲介大手のストライクは、11月1日に中国地方に進出する。広島市に初めてのオフィスを構え、コンサルタントが常駐する。
帝国データバンクによると、広島県に本社を置く企業の社長の平均年齢は、2020年時点で60・0歳と年々上昇している。事業承継に伴うM&Aのニーズも増えるとみて、本格的に進出する。ストライクは名古屋市、福岡市のオフィスも増床移転する。
ストライクが広島市に置くオフィスは、中心街の中区に位置し、広島電鉄の停留所からも近い。利便性の高い場所にオフィスを置くことで、中小企業の経営者などからの相談を受けやすくする。
同社は10月4日には、名古屋市のオフィスも拡張移転する。場所はJR名古屋駅に直結するJPタワー名古屋の15階で、オフィスの面積は現在の39坪から79坪に拡大する。
11月15日には福岡市のオフィスも拡張移転する。場所はJR博多駅に直結するJRJP博多ビル9階で、オフィス面積は現在の36坪から81坪に拡大する。
いずれも業容拡大により人員が急速に増えていることに伴う措置で、同社は「中国、中部、九州地方のM&Aニーズのさらなる発掘を目指す」としている。

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