TKC全国会
1月15日にTKC全国会(東京都新宿区、坂本孝司会長)が、「令和3年TKC全国会政策発表会」をオンラインで開催した。参加人数は406名。TKC全国会会員のほか、独立行政法人中小企業基盤整備機構、中小企業再生支援全国本部、日本商工会議所、一般社団法人日本金融人材育成協会をはじめ、金融機関や提携・協定各社が参加した。
当発表会は例年、TKC全国会の運動方針を発表する場として開催。コロナ禍にある今年は、Web会議システムを利用してリモートでの開催となった。
TKCの自計化システムで優良な電子帳簿の普及を目指す
政策発表会では、TKC全国会の坂本孝司会長が、「いまこそ問われる税理士の使命」のタイトルで講演。新型コロナウイルス感染が拡大するなか、ドイツにおいては「持続化給付金」の申請手続きを、不正防止の観点で税理士・会計士等が取り仕切ったことを引き合いに出し、「ドイツの税理士は社会からの信用力が圧倒的に高い。われわれ日本の税理士も同じ方向を目指す必要がある」と強く語った。
また坂本会長は、「訂正等履歴要件」を満たさなくても電子帳簿として認める電子帳簿保存法の見直し案が出ていることを踏まえて、「原始記録と最終帳簿との相互関連性確保や記帳の遡及的追加・修正・削除の防止は、複式簿記が本質的に内包する基本原理である」とし、租税正義実現のため、トレーサビリティーが確保されたTKCの自計化システムの活用を通じて、優良な電子帳簿の普及を目指す旨を発表した。
税理士の社会的使命を果たすことで業界の未来を切り拓く
TKC全国会は、創設50周年に向けた戦略目標を掲げており、その達成を目指して8年間にわたる運動を展開してきた。本年、TKC全国会はその最終年度を迎える。戦略目標の一つである決算書を電子データで金融機関に提供する「TKCモニタリング情報サービス」は、昨年12月に25万件を突破した。本年は、「巡回監査士や巡回監査士補の増大や認定支援機関としての経営助言業務の強化などに取り組み、税理士の社会的な使命を果たすことにより、業界の未来を力強く切り拓こう」と宣言した。